こんにちは!院長の橋戸です。
最近は段々と冷えてきましたね。私は夏より冬の方が好きです。
さて、今回は歯ぎしり<ブラキシズム>について簡単にお話しできたらと思います。
「歯ぎしり」と一言で言っても、時間帯によって2種類、顎の動かし方によって4種類に分けることができます。
❶睡眠時ブラキシズム
Sleep Bruxism(以下SB):寝てる時に行う歯ぎしり
❷覚醒時ブラキシズム
Awake Bruxism(以下AB):起きている時に行う歯ぎしり
①グラインディング
下顎を左右に動かし上下の歯を擦らせる動き。
結構顎が疲れます。SBとして発現しやすいです。
この様な方は、夜間にマウスピースを使用し、歯が擦り減ったり顎の筋肉が疲れるのを抑えるのが効果的です。
②タッピング
上下の歯をカチカチとぶつけるタイプです。
臨床の現場ではあまり見ません。
③クレンチング
噛み締めるタイプです。臨床ではこれが一番多いかもしれません。SBはもとより、ABでもよく発現します。
とにかく顎が疲れます。歯もダメージを受けます。
特にSBの場合が深刻で、寝ている時は噛み締めていても、開口反射(あ、これ以上噛み締めたらまずい、と無意識下で判断して勝手に口が開く反射)が機能しないので、お口周りにかなりの負担をきたします。この場合でも夜間のマウスピースが有効です。
AB(起きている時)でもよく発現します。特にデスクワークや力仕事が多い職種の方によく見られます。
起きていれば理性でコントロールできますので、無意識に噛み締めていたら、「あ、噛み締めてる、気をつけよう」と意識して、上下の歯を離す癖をつけると良いです。
④ナッシング
歯の特定部分ですり合わせるタイプです。多いのが、犬歯(前から3番目の歯で、またの名を糸切り歯)で、犬歯の尖頭と言われる尖った部分を無意識に擦り合わせます。
これは意識して抑制するしかないですが、SBの場合はそうもいかないので、やはりマウスピースを使用して歯の擦り減りを予防するのが一番でしょう。
ブラキシズムには様々なタイプがあります。
ただ、何故ブラキシズムが起きるのかエビデンスはありません。
主観では、なるべくしてなっているというか、適度にすり合わせることで、適切な咬合バランスを維持していると思っています。現にアボリジニの骨格を見てみると臼歯は完全にすり減っており真っ平らです。これはこれでアリなのかなとも思います。
義歯を作る際にも、モノプレーンオクルージョンといって、敢えて全く山谷の無い臼歯の入れ歯を作ることもあります。
「ストレスマネジメント」といった意見もあります。
ただその実よく分かっていません。
噛み合わせは人が作れるものではないと思っています。
咀嚼などにより、適切に擦り減りあるところに収まるのかなと思います。
個性的な咬合(個性咬合)を大事に、患者様にとって一番の治療をご提供できたらと思います。
咬合については語り尽くせません!
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