西洋医学と東洋医学について

GBTシステムの話の前に、これについては触れておきたいと思います。

「西洋医学と東洋医学」について

簡単に言うと、

・西洋医学:悪い部分に直接アプローチし、治療する。

(ex.)→虫歯があったらまずは虫歯を取る。その後虫歯になってしまった原因を究明し、それに対するアプローチを行う。

・東洋医学:体の不調を根本的に治す。

(ex.)→虫歯があったら虫歯になってしまった原因を究明する。それに対するアプローチを行い、口腔内の環境が整ってから虫歯を取る。

診断(diagnosis)とそれに対する治療をどのタイミングで行うのか。

ここに決定的な違いがあります。

それぞれ見ていきましょう。

①西洋医学について

ヒポクラテスをご存知でしょうか。

紀元前460年頃〜紀元前370年頃に活躍した「医学の父」と言われる古代ギリシアの医者です。

医学生の誰もが勉強する、医療倫理・任務等についての宣誓文である「ヒポクラテスの誓い」は有名です。

病気は、自然に発生するものであり、超自然的な力や神々の仕業と考えられていましたが、

ヒポクラテスは、医学を宗教から切り離し、病気は神々の与えた罰などではなく、環境・食事・生活習慣によるものであると主張しました。

古代ギリシアの医学では、クニドス派とコス派(ヒポクラテス派)の2つの学派に分かれていました。

クニドス派は診断を重視していましたが、当時のギリシアでは人の解剖はタブーとされており、解剖学・生理学の知識がほとんど無かったことから、診断を誤ることが多かったといいます。

コス派は診断以上に予後(prognosis)を重んじ、効果的な治療を施し大きな成果を上げ、故に積極的に治療しないのが一般的でした。

医学は12世紀ルネサンスの時代にさらに発展し、ルネサンス時代以降は人体の解剖が行われ、さまざまな薬が開発される等、医学の発展がありました。

16世紀のパドヴァ大学では、パドヴァの解剖劇場という現存する最古の解剖劇場で、学生達は教師が実際に解剖を行うのを観察して解剖学を学びました。

19世紀以降の現代西洋医学では、病名を診断しそれに対して積極的な治療を行うことに重きを置かれるようになり、クニドス派の主張が重要視されるようになっていきます。

西洋医学は科学の発展とともに進化し、現在では最先端の医療機器を用いた診察や治療ができるようになっています。

②東洋医学について

東洋医学は古代中国で生まれた考え方で、約2000年の歴史があります。

漢方医学と鍼灸医学を合わせて東洋医学と呼ばれています。

6世紀頃、遣隋使や遣唐使によって日本に伝わった中国医学は室町時代に日本独自の進化をしました。江戸時代中期以降に西洋医学が伝わると、これを「蘭方」と呼び、従来からの日本化された中国医学を「漢方」と呼ぶようになりました。

明治期になると西洋医学を学ばなければ東洋医学の治療を行うことができなくなり、日本の医療に西洋近代医学が採用され、漢方医学は著しく衰退しました。

明治14年頃から、日本の漢方は「皇漢医学」・「和漢医学」と呼ばれるようになります。

1950年に日本東洋医学会が設立されて、日本の漢方医学・中国の中医薬学・朝鮮の韓医学を一括して「東洋医学」と呼ばれるようになります。

西洋医学のクニドス派は診断を重視しており、これは東洋医学では「証(しょう)」という。

西洋医学では診断をした上でこれに対する治療を行うが、漢方医学では治療法を決定すること自体が最終的な「証」となる。

これが西洋医学と東洋医学の違いです。

どちらが正しいという事ではありません。いずれの考え方も正しいと思います。

日本では、明治以降の流れもあり、西洋医学が正しいと潜在的に囚われがちです。

日本の医療制度は世界でもとても高く評価されていますし、それはとても素晴らしい事ですが、

日本の12歳児の虫歯の本数は先進国の中でも多い方です。

世界で最も虫歯・歯周病が少ない国はスウェーデンです。

日本は、虫歯や歯周病になった、病名が付いてからのアプローチはとても優れていると思います。

現に、日本の保険制度では、診断名が付かなければ保険適応外となります。

診断が付けば即座に対応可能であり、西洋医学のクニドス派の考え方とマッチする内容であり、故に日本の歯科医療は現代の西洋医学を踏襲していると思います。

日本では、実際に病気になった(例えば虫歯)際に、適切なコントロールができます。

これは素晴らしい保険制度ですが、そもそも病気にならなければ良いと思います。

予防の考え方はまだ日本にしっかりと浸透していません。

日本も口管強(以前のか強診)の施設基準導入により、予防へ重きを置く流れなのでしょうか。

適切なケアを受けることで、虫歯のリスクを減らし、皆様が健康に過ごす事です。

GBTシステムの導入は、予防プログラムを一新したい思いから産まれました。

今回導入したプロフィラキシスマスターは世界シェアNo1のエアフローを開発している会社の最新商品です。

定期的にメンテナンスにお越し頂ける患者様へ対し、より高度な予防治療を提供できます。

東洋と西洋のどちらの考え方も踏襲しつつ、いかに素晴らしい治療を提供できるか。

お口の中だけではありません。全身的なバランスも重要です。

当院は西洋医学特化ですが、お隣のあおば整骨院様は針や按摩を行う東洋医学のプロフェッショナルですので、どちらも受診すると完璧ですね。

これからの歯科医療、全身へのアプローチを当院で体験してください。

宜しくお願いします。

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