麻酔の話<浸潤麻酔>

こんにちは!

11月でも夏日が続くなんてことがありましたが、最近はようやく冷えてきましたね。

私は寒い方が好きです。

今日は麻酔の話をしようと思います。

歯科で行う麻酔は「浸潤麻酔」といいます。

浸潤麻酔は針の麻酔です。そのまま針を刺すと痛いので、当院では先に表面麻酔を行います。

表面麻酔は塗る麻酔ですが、口腔粘膜を乾燥させてしっかり麻酔薬を留置すると結構よく効きます。

●「浸潤麻酔」とは?

その名の通り、浸潤させる麻酔です。

粘膜下に麻酔を注入すると、骨膜→皮質骨→海面骨へと麻酔が徐々に浸潤していき、最終的に三叉神経の分岐枝の歯枝へ浸透すると麻酔が効いてきます。

最初に歯肉頬移行部(歯肉の硬い部分と柔らかい部分の境目)に麻酔を入れます。

歯肉の硬い部分は付着歯肉といいます。付着歯肉は粘膜と骨膜が強く結合しており、最初から付着歯肉に麻酔を入れると粘膜と骨膜が剥がされて痛みを伴うので、まずは歯肉頬移行部へ麻酔を入れます。

歯肉頬移行部へ麻酔をしっかりと入れた後に、歯頸部に麻酔を入れると麻酔が良く効きます。

歯頸部・歯間乳頭部の骨は歯槽骨といいますが、この領域には骨小孔という無数の穴が空いており、麻酔薬がしっかりと浸透しやすいです。

除痛の方法は色々とありますが、基本的には割と粘膜がルーズな箇所から刺入し、ゆっくりと麻酔薬を注入することが大事です。

他に、刺入箇所以外を指で圧迫する、頬を引っ張る(気を散らす)、患者様と会話してリラックスさせる(「痛い」「刺す」「針」等のネガティブなワードを言わない、明るい話をする)、針を刺すというよりかは、粘膜を手前に引っ張って粘膜から針に入る、カートリッジの温度を体温くらいにする。等、様々な方法があります。

ゆっくりと麻酔薬を注入するためには、持続注入機が便利です。

当院にも置いていますが、適切なスピードの浸潤麻酔が可能なのでおすすめです。

カートリッジの温度は体温に近い方が良いとは言われていますが、高音かつ蛍光灯下では3ヶ月で1/4までアドレナリンが溶解してしまうので、保管は必ず冷所で遮光できる場所で行うことが重要です。

麻酔の直前にカートリッジを握って温める等の対応が良いと思います。

麻酔は適切に行えば大抵しっかりと効いてくれますが、炎症が強かったり、過度な緊張や歯科への恐怖心があるとどうしても麻酔が効きづらい場合があります。

お薬でしっかり消炎してから治療にのぞめば割としっかり麻酔も効くので、場合によっては日を分けることも重要です。

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